こんにちは。アメリカ中西部で放置系駐在員をしているKhyle(カイル)です。
突然ですが、私の「アメリカへ赴任して最も大変だったことベスト3」はこちらです。
- 英語が分からない
- アメリカ人の考え方が分からない
- レストランが閉まるの早くて夕飯買い逃す
英語は言わずもがなです。留学経験もなく、渡米前はTOEIC模試自己採点で500点だった私がどうやって英語・英会話を挽回していったかは以前別の記事にしましたのでよろしければご覧ください。

今回は2位にランクインした「アメリカ人の考え方が分からない」についてです。私がアメリカ人を理解しようととった行動などをご紹介したいと思います。
アメリカ人に限らず外国人の人たちは、日本人の『一般常識』と比較すると「え?なんで?」って思える考え方・行動はたくさんあります。私も赴任当初はその違いにイライラすることばかりでした。
とはいえ、イライラしていても先に進めません。むしろ「100%理解することは不可能」と理解することが実はとても大事です。理解はできても賛同できない事は今でもたくさんありますが(笑)、少なくとも心理的ストレスはグッと減らせます。
この記事はこんな人たちに役立ちます。
- アメリカで働き始めて価値観の違いに戸惑っている人
- アメリカ人の価値観・考え方を理解して仕事をしやすくしたい人
私の実体験を基に、私が赴任当初にアメリカ人に対して感じたことをそのまま書いている部分もありますが、誹謗中傷の意図は一切ございません。(記事を読んで感じ取っていただけると思います)
なぜアメリカ人と日本人の考え方は違うのか?
仕事の進め方や働き方に対する価値観など、アメリカと日本ではびっくりするほど違います。私も赴任前はステレオタイプ的に「アメリカ人は主張が強くて、なんでもズバズバ言って、、」と理解していましたが、その通りなこともそうでないこともたくさんありました。
なぜそう言った違い生まれたのかは別記事で詳しく書きますが、色々学んだ結果一番腑に落ちたのは「他民族国家という文化的背景」が影響していることです。
世界中の人種・文化圏の人たちが暮らす国なので、仕事の場面だけでなく日常生活でも全く違う言語・文化圏の人たちと関わっていかなければならないのです。だからこそ共通言語の英語を使うだけでなく、意見や理解が誤って伝わらないように「しっかりと意見を主張する」ことが重要なのです。
これがややもすると、(良くも悪くも)なんでもぼやかすことに優れた日本文化からすると「強い・わがまま・利己的」みたいに見えてしまうのです。
アメリカ人との考え方の違いを理解しないとどうなる?

私自身もこの「違いの理解」が不十分で、特に赴任直後はいろんな失敗をしました。以下が例です。
- プロジェクトで度重なる遅延を引き起こす(「これ私の仕事?」という感覚の他部署メンバー)
- アウトプットが想定よりも著しく雑(「普通ならこのくらいはできるはず」は通用せず大きく乖離)
- 失敗の原因を自分(=依頼主)のせいにされる(相手は「自分のせい」とは絶対に言わない)
他にも大小さまざまなトラブルを経験してきました。参考までに、頭を抱えてしまった5つの事例をご紹介します。「こんなこともあるんだな」程度にご覧ください。
頭を抱えてしまうアメリカ人との考え方の違い5選
1. 謝らない
カジュアルな文脈ではもちろん耳や目にしたりしますが、業務上で「I’m sorry」「I aplogize」などの言葉を聞く回数は(日本と比べると)極端に少ないです。
背景として、自分の非を認めると『この人は能力がない』と評価を落とされてしまうため、基本的には「自分は頑張ったんだけど(自分以外の)他の要因でこうなってしまった」と主張します。また、訴訟の多い国なので「なんでも簡単に非を認めないように」という指導も受けているそうです。
2. 業務範囲が限定的
従業員の一人一人がJob Description(ジョブディスクリプション; 「この業務をする」と明文化された雇用契約書)により業務内容が定められています。責任範囲が明確なのでありがたい一方、「それは私たちの部署ではやらない。私たちの部署のせいではない」の一点張りで仕事が進まない場面もあります。
日本人の目からすると「融通が利かない」と映るのですが、なんでも押し付けられてしまう日本の組織もどうかなと思うので、一長一短ですね。
3. 自分のスケジュール優先
プロジェクトの遅延や顧客への迷惑が発生していても、基本的には自分の都合が最優先です。「多少残業してでも急いでやらなきゃ」なんて考えはほぼありません。(ただし会社により程度があります。一流企業であればパフォーマンス評価で落とされてしまうためきっちりやってくれる人もいます)
4. 言われなければやらない
「自発的に」はほとんどありません。日本のおもてなし精神のようなものを期待したらダメです。
「改善」が「カイゼン(KAIZEN)」として英語になっているのも、アメリカにはそもそも「改善」という意識がないからだと社外研修で学びました。
5. 盛られた報告
「まずは誉める」という文化なので「Good!」「Great!」「Cool!」などのポジティブワードで飾り付けられた評価が飛び交いますが、実は全然うまく進んでいないこともよくあります。
アメリカ人との考え方の違いからくるストレスを減らす方法
私も今の職場でアメリカ人と働きながら、なんとかこの違いを克服しようといくつか実行したことがあります。どれもとても初歩的ですが、「赴任当初から実践していれば失敗は減らせたよな」と後悔した部分もあります。
以下に挙げる例は、アメリカ人との違いを理解しようと私が自発的に実行した方法をご紹介します。もちろん「これをすれば100%OK」という事は全くありません。基本中の基本ですが、だからこそそこまで難しくないので、参考にしてみてください。
以下に挙げる例は、アメリカ人との違いを理解しようと私が自発的に実行した方法をご紹介します。
方法① 『違う』ことを強く意識する
自分が思っている以上に『違う』ことを意識することをお勧めします。同一民族だけで構成される日本とは対照的に、多民族国家のアメリカでは『異なること』が当たり前だからです。
そもそも自分と異なる文化圏の人を100%理解することはほぼ無理だと私は思っています。どれだけ相手の文化・風習が好きでも、母国で培われた価値観・考え方との差には(良い・悪いという意味ではなく)違和感は感じます。ただし、「そもそも100%理解する事は無理」と予め頭に入れておくだけで自分の中での感じ取り方は大きく変わります。
私は赴任当初、この違いを理解せずに仕事を進めてしまい、社内の他部署から白い目で見られる苦い経験をしました。今でもヤキモキする場面はありますが、「考え方が違うからしゃーないわ」と割り切るマインドは培われ、ストレス量は大きく減っています(笑)。
方法② アメリカ人の言動や行動を観察する
普段の会話やメールでよいので、まずはアメリカ人の言動・行動をよく観察してみてください。最初は「なんでそんなこと言うの?」と感じることばかりですが、しばらくすると「毎回必ずこう言ってるよな」みたいなパターン見えてきます。
この後の方法③のように別途学ぶ・調べる必要はありますが、理由が分かった時に「なるほど、だからあの時はこう言ってたんだ」と理解が一気に進みますし、自分も同じような発言・行動しやすくなります。つまり、相手にとって理解しやすい・受け入れやすい接し方ができます。
方法③ 書籍で学ぶ
渡米直後、そして働き始めて1年経過してからも、たまに書籍で「異文化理解」に関する書籍を読んで、外国人に対する理解を深めようとしてきました。参考になった書籍をいくつかご紹介します。
『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』(エリン・メイヤー 著)

『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』(宮森千嘉子 著)

これらの書籍は、アメリカ以外の国・地域についても文化的な特徴や差異がまとめられており体型立てて学べました。多民族国家のアメリカでは、同僚にもたくさんの人種や文化をもつ人がいるので、それぞれの特徴を掴むのに非常に役立ちました。
まとめ
赴任後1年以上経ってもいまだに驚くようなアメリカ人の言動・行動はありますが、「違う」ということを意識し始めてから少しずつアメリカ人との付き合い方も楽しめるようになってきました。 かくいう同僚のアメリカ人から見ても「日本人のこの考え方は理解できない」といった部分がたくさんあるんだと思います。それに付き合ってくれている日系企業のアメリカ人には本当に感謝しています。
- アメリカ人を理解するには、自分が思っている以上に「違う」ことを意識する
- 「100%理解する事は無理」と頭に入れておけば付き合い方は楽になる
Thanks!