その“困っている人”って実在するの?【カンボジア一人旅での気づき】

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30歳の節目を迎える2017年11月に一人旅で訪れたカンボジアは、大きな気づきを得た重要な旅でした。

昔からの夢である「アジアの発展途上国でソーシャルビジネス」の道へ進むために、まずは現地の生活を見ようとした旅で考えさせられことがありました。

自分がイメージする『困っている人』は本当に存在するのか?
自分がイメージする『支援の方法』で困っている人たちを救えるのか?

この考え方、ビジネスにおいてとても重要な視点です。当時の旅を振り返りつつ視点をまとめます。

目次

カンボジアはどんな国? ー アジアの発展途上国 ー

旅立つ3日前、深夜残業中にふと思い立って上司に休暇申請し急遽チケットとホテルだけ手配しました。

入国時にビザが必要だということも出国2日前に購入した『るるぶ』で知ったくらいの突然の旅です。

実際に訪れるまでは私のイメージするカンボジアはこんな国でした。

  • 世界遺産のアンコールワット遺跡を活かした観光産業で経済を支え、それ以外は農業が主要産業
  • ポルポト政権時代の独裁政治・圧政で長らく苦しめられた国民
  • 物価は日本よりもはるかに安く日本人の平均給料で贅沢に暮らせる(実際、屋台料理は1食200〜300円程度)

いわゆる「発展途上国」「貧困国」と呼ばれるような経済的に貧しい国をイメージしていました。

プノンペンに滞在し続けた理由

世界遺産のアンコールワット寺院遺跡(Angkor Wat)周辺のシェムリアップ市(Siem Reap)は世界中から観光客が訪れる有名な観光地で、私もぜひ訪れたいと思っていた場所の一つです。

しかし、一人旅へ駆り立てたこの時の私の動機は「現地の人の生活を見たい」という強い思いでした。

というよりも、私が海外旅行へ行きたいと思う時は決まって「その国の人や生活を自身の目で見たい」という衝動に駆られた時です。

そこで、人気観光地であるシェムリアップに行きたい気持ちを押さえ込み、首都プノンペン(Phnom Penh)で滞在し続け、人々とその暮らしを見て歩き回る旅にしようと決めました。よって3泊4日の間は全てプノンペンで過ごしました。

3泊4日で見た・知ったカンボジアの実態(プノンペン限定)

TukTuk

宿泊先のホテルのバーで働いていた大学生と仲良くなり、街や商業施設を案内してくれたり、屋台でローカルフードを一緒に食べたりしました。

また、公園で知り合った「平日は教師、休日はトゥクトゥク(三輪タクシー)運転手」というおじさんの紹介で、孤児の児童養護施設兼学校を訪れたりもしました。それ以外の時間帯はとにかく街中を歩き回っていました。

非常に短期間でしたが、可能な限り現地の人や生活に触れることで見た・知った実態がこれです。

  • 中国資本が勢いよく流れてきていて、商業施設、ビジネスビル、遊園地など次々に建設されている
  • トゥクトゥクの配車アプリで街中の移動が便利
  • 英語が話せる人が多い(第1言語はクメール語)
  • 給料水準は日本よりも圧倒的に低い(仕事によるが日本の1/5〜1/7程度)

正直、この事実は衝撃的でした。

なにせ、川沿いはきれいに舗装され椰子の木やオシャレなカフェが並ぶその様子を見て「俺はシンガポールに来たのか?」と錯覚したほど都市開発が進んでいたのです。

自分がイメージしていた発展途上国とはかけ離れた人・街・生活がそこには存在していたのです。

想像していた人・街・生活は現実と大きなギャップ

もちろん、プノンペンからトゥクトゥクで数時間圏内の郊外には想像していた通りの「経済的に貧しい発展途上国」が存在していましたが、中心地の実態は想像とのギャップがあまりにも大きく衝撃的でした。

その時考えていたのがこんなことです。

  • 想像していた「アジアの貧困国」は、自分が勝手に創り出したイメージだった
  • 法規制で未だにUverも導入できていない日本よりも配車アプリは発展していてアプリの発展性・浸透度は高い
  • 英語も満足に話せない日本人が5倍以上の人件費。物価の違いはあれど日本人の人材価値って一体。。
  • 「ソーシャルビジネス=現地で商品・サービスを作り先進国で販売すること」というある種の固定観念があったこと。それよりも、巨大な中国資本は都市開発を進めて大きな経済効果を生み多くの人たちの生活を潤している

特に1点目と4点目の衝撃が大きく、自分の勝手なイメージで「貧しい人たち」を創り出し、その人たちの生活を救うには現地生産・先進国消費のビジネスしかないと決めつけていたことに深い反省を抱きました。

大切なこと:自分の想像だけで分かった気にならない・決めつけない

改めてですが、この旅では本当に大事なことに気付かされました。

自分がイメージする『困っている人』って実在するのか?自分の『支援する方法』で困っている人たちを助けられるのか?

これを正確に捉えることがとても重要です。実際にその国、人、生活を知らずに想像だけでターゲットを創り出してしまうのは非常に危険です。

自分の目で見ること、自分の行動で知ること、自分の想像だけで虚像を創り出さないこと。


以上です。

Thanks!

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